福岡県建築士会会長
田村 弘


 我が建築士会の創立時の会員は2076名であった。その後,第一次、二次の建築ブームを経て昭和54年には4215名を擁する、雄県福岡の建築士会として確固たる存在を誇ってきたが、これをピークとして会員減少の一途を辿り現在2670余名で半世紀経ったいま、創立の原点に立ち戻った感じである。

 一方会費の方は昭和49年の200円が、平成10年までの24年間に5年、4年、7年、8年毎の周期を経て値上げされ570円となり、その後8年間据え置きとなっている。これを見ると会員の減少とは裏腹に会費の方は周期的に上昇してきた訳である。

 本会運営の現況は、建築士会始まって以来の画期的な、いわゆるCPD、専攻建築士制度の推進、また事業の面では、まちづくり地域貢献活動等優先すべき事業は増加の傾向にある。それに対し、財政状況は会費収入減に伴う固定収支のアンバランスによる赤字を事業収益でかろうじて補填し、支出の管理費、特に人件費の極度削減により次年度予算組みの見通しがつくような状況である。

 いまや国を挙げての行財政改革時代、また地方においては市町村合併等、将来に活路を求めて改革に躍起である。

 ところで「改革」とは何か、それは合理的に改善を図り進化することである。口でこそ簡単に語れるが、いざ実践となると難題である。それはコンピューターを操作するような簡単な問題ではない。それこそ人間が係わった個別的な意思、感情、利害得失に関する思惑の調整であり、それが組織ともなれば規約の見直し等、全体的な合意形成には時間と理解が不可欠である。

 本会は創立当初より支部連合体と言われながら半世紀が経過した。支部主導、支部あっての本会、本来在るべき社団法人の道筋から遠ざかっているよう気がしてならない。ケネデイの言葉ではないが「本会が支部に何をするかでなく、支部が本会に何をできるか」を考えるべきであろう。

 本会が窮状から浮かび上がる為には「改革」こそが武器ではないか、これはむしろ遅きに失した感はあるが、今を好機と捉え「なぜ、いま、どのような」「改革」なのかを真剣に議論し会員各位の賢明な理解を切望するものである。