(社)福岡県建築士会 柳川支部長
永尾 政一


 今回ご紹介するのは、平成12年度に大川市指定文化財である旧清力酒造株式会社事務所を改修し、大川市立美術館として平成13年6月より一般公開している歴史的文化遺産建築の修復記録であります。

 工事設計監理、近畿大学九州工学部工藤教授、他数名の先生方の協力工事施工は(株)永尾組施工で行い、特に木工事を担当する名儀人大工棟梁を紹介致します。

志岐 吉男 氏

 志岐吉男氏は永き亘り建築大工として経験を重ねる中で技能の向上に努め伝統的な文化財の建築物に対し技能、経験、実績が豊富で亦時代のニーズに合わせた新工法高気密高断熱、高耐震工法の建築施工にも研究旺盛である。この度修復した建物は明治洋風木造建築 2階建で明治41年(1908年に竣工した建物)で永きに亘り1階事務所として亦2階は美術館として使用されてきました。

 平成12年市指定文化財となり、歴史的な遺産建築修復で、調査から平面の基準寸法と当初番付を確認設計寸法は尺貫法が用いられ1間を6尺5寸と判明した調査が終り解体に当り現況復元のため、床廻り軸組、天井、段階的に生かし取りとう施工で取りはずし取付けの施工法で、土台構造に緊結つる隅は平ほぞ差し加工で組まれ、継手は追掛け大栓加工組によって継がれていました。又、大引材の仕口は蟻継となって釘、金物すべて使用されていない工法で大工の加工は伝統的な日本の木造技術を用いてそれに基づいて一つ一つを丁寧に取りはずし加工し、現形に復現の繰り返しの研究と苦労の積み重ねで約7ヶ月間の施工で見事完成いたしました。

 この様な歴史的建築を修復し、文化遺産として活用をはかることが地域性のある文化価値として新たなる地域文化の拠点となる様ご期待申し上げます。