福岡市 市民局部長(地震災害復旧・復興総合調整担当)
吉原 万佐美
平成17年3月20日、マグニチュード7.0、最大震度6弱の福岡県西方沖地震が発生し、福岡市をはじめ九州北部を中心に大きな被害をもたらしました。
本市におきましては、地震発生後直ちに「福岡市災害対策本部」を設置し、さらに、4月12日には「福岡市地震災害復旧・復興本部」を設置し、国や県の各機関と一体となり、また、多数の市民や企業、ボランティアの皆様のご支援、ご協力を頂きながら、この1年間、応急対策、災害復旧・復興に全力で取り組んでまいりました。
被害の概要
今回の地震では、死者1人,重軽傷者1,000人を超える人的被害、450棟を超える全半壊を含め5,200棟を超える住家被害、また、道路、港湾、漁港施設、学校などの公共施設で総額223億円余の大きな被害を受けました。
現在、公共施設の復旧は、概ね順調に進捗しており、漁業施設の一部を除き18年度に完了する予定です。
■今回の地震による福岡市の人的被害、住宅被害
(平成17年12月31日現在)
人
的
被
害
(人) |
死 者 |
1
|
| 重傷者 |
163
|
| 軽傷者 |
875
|
| 計 |
1,039
|
住
宅
被
害
(棟) |
全 壊 |
141
|
| 大規模半壊 |
8
|
| 半 壊 |
315
|
| 一部損壊 |
4,756
|
| 計 |
5,220
|
被災者支援
被災者の早期生活再建のため、国の被災者生活再建支援制度を基本としながら、本市独自の被災住宅復旧支援策として、全市域で半壊以上を対象とした地震被災住宅再建支援金制度や、被害が甚大で面的に広がった一部の農漁村地域について、コミュニティーの自立再建などの観点から、一部損壊も対象として、所得要件を設けない地震被害農漁村特定地域再生支援金制度を創設しました。また、住宅金融公庫等の住宅復興資金に対する利子補給、一部損壊も対象とした災害援護臨時貸付金及び利子補給、中小企業者や農林漁業者に対する設備資金等の融資などを実施しました。
■被災者住宅支援策
(平成17年12月31日現在)
| 区 分 |
全壊 |
大規模半壊
|
半壊 |
一部損壊 |
申込件数 |
@地震被害農漁村特定地域
再生支援金(所得要件なし)
|
○ 建て替え:300万円
○ 補修:150万円(1/3)
|
501 |
A地震被災住宅再建支援金
(国の所得要件に準ずる)
|
300万円
(1/3) |
150万円
(1/3) |
|
83 |
玄界島復興事業について
壊滅的な被害を受けた西区玄界島については、島民の意向を踏まえながら小規模住宅地区改良事業の手法により集落の再生を図ることとし、19年度完成を目標として、戸建て住宅用地50戸分、県営住宅50戸を含む賃貸集合住宅130戸を計画し、道路、公園等の整備と合わせて、漁港施設、小・中学校等の公共施設の災害復旧事業を一体的に行うこととしております。
■復興事業完成イメージパース
震災に強いまちづくりを目指して
今後、地震被災地域・施設の速やかな復旧・復興を進めるとともに、公共施設、民間施設の耐震化の推進、自主防災組織の育成など、震災に強いまちづくりに取り組んでまいります。
公共施設の耐震化については、災害対策活動の拠点や避難所となる施設とライフライン関連施設等の耐震化を迅速に推進することとし、耐震診断を行っていない施設の診断をおおむね3カ年で実施、避難所等として重要な学校施設は、体育館を18年度から5カ年、校舎を10カ年で完了を目指してまいります。
また、民間建築物の耐震化促進については、現在の住宅の耐震化率約72%を、今後10年間で90%に引き上げることを目標に、共同住宅や病院の耐震診断助成制度を新設するとともに、戸建て住宅や共同住宅への耐震改修助成制度を新設します。
次に、地域防災計画については、今回の地震の教訓を踏まえ、自主防災体制の強化、公民館を拠点とした防災体制の整備や地域防災リーダーの育成、震災時緊急対応職員の指定、公的備蓄の実施、要援護者に対する支援マニュアルなどの充実を図ってまいります。
また、今回の地震が,本市市街地の中心部を走る「警固断層」への影響が懸念されることから、平成17年10月24日に「警固断層調査検討委員会」を設置し、警固断層の最新活動時期、活動間隔、発生確率などの再評価を行っており、この再評価を受けて被害想定の見直しを行い、改めて地域防災計画に反映することとしております。
おわりに
本市は、近年、平成11年、平成15年と2度の大きな水害を経験しました。
また、今回の地震も経験したことから、3月20日を「市民防災の日」と定めました。今後、市民、地域、行政がそれぞれの役割と責任を十分認識し、共同して安全で安心して暮らせるまちづくりに取り組んでまいります。