福岡県建築士会CPD等特別委員会
善 敏治

 一度は耳にされたと思いますが、CPD制度の概要を述べ、この制度へのご参加を呼び掛けたいと考えます。
このCPD制度とこの延長線上にある専攻建築士制度は、建築士会創設以来50年の中でもっとも画期的な制度であると確信致します。又これほど大きなインパクトとメリットを建築士に与える制度は無かったと思います。専攻建築士制度についてはまだ福岡県建築士会では検討中ですので、CPD制度のみをご説明致します。CPD制度と専攻建築士制度は密接な関係にありますが、それぞれ独立した制度とご認識下さい。当福岡県建築士会では、先ずCPD制度を平成15年10月にスタートいたしました。
 この継続能力開発CPD(Continuing Professional Development)制度を簡単に述べることは大変難しいのですが、一言で云うと、「建築士の皆さんの日常的なプロとしての実務実績と、日ごろ実践されている様々な建築関連の研修実績を、建築士会が認定し、証明書を発行し、社会に対して情報公開していこうという制度」です。
この具体的な認定評価方法は、「20単位」などの単位数で表現致します。そして、士会連合会の推奨値として、年間で50単位程度を取得していただくことを定めています。
 ではこの制度に参加することでどんなメリットがあるのかをご説明致します。まず、士会連合会作成の「専攻建築士制度と継続能力開発(CPD)制度の狙いと制度設計」レポートの中から、解りやすい言葉で表現致しますと「今度、実施しようとする建築士会の自主資格制度である専攻建築士制度と継続能力開発(CPD)制度は、少なくとも真面目に仕事に取り組んでいる建築士、そのための能力開発を怠らない建築士を、その他の怠惰な建築士から峻別するための手立てと考える。」となります。やや表現が露骨ですが、いちばん的を得た説明だと思います。いままでは「私は1級建築士、あるいは2級建築士の誰々です」と言うしかなかったわけですが、「私はこれらの専門実務をやってき、又これらの研修実績を常日ごろ積み重ねている建築士のだれだれです。」と社会に対して、お客さんに対して名乗り、示すことが可能となります。その証明を建築士会連合会と福岡県建築士会が認定証明しようとすることにしたのです。
 今までは、なかなか建築士一人一人の日頃の実務実績や研修実績をつまびらかに表現することが困難でしたが、実績証明書というもので、簡単に、明確に示すことが出来るようになります。このことによるメリットは計り知れないものがあると思います。このことだけでも大きな参加メリットだと思います。実際のご自分の仕事において、ご自分の建築士としての能力をよりはっきりと示すことが出来ます。ご自分を売り込む場合の強力なツールとなります。つまり、このCPD制度に参加する建築士ひとり一人の「建築士としてのキャリア証明」を建築士会が行おうというのがこの制度です。

 具体的なCPD制度の進め方は、下記のCPD活動実務マニュアル(あなたも取れる50単位)フローチャートをご覧下さい。実施していく流れがご理解していただけると思います。一番下の枠の中に1年間に50単位×5年=250単位と表現しています。この5年間というのが何かと申しますと、まだ開始していません専攻建築士制度が5年ごとの更新制度となっていて、この更新必要条件が5年間で250単位以上となっているのです。証明書は二種類あります。一つは年1度発行する「過去1年間の取得単位数」の証明書であり、もう一つは5年に一度発行(将来発行予定)する250単位取得したという履修証明書であります。この事をフローチャートの枠内は意味しています。
 CPD制度のやり方を簡単にご説明いたします。
まず、目標として、年間で50単位程度を取得する事となります。この50単位は二つの分野での合計単位の値です。一つは「実務実績での取得単位数」であり、もう一つは「研修実績での取得単位数」です。どちらか一方だけで50単位取得されても不適格となります。内訳として、実務実績として14単位〜28単位を取得し、研修実績として30単位〜16単位を取得していただく事になります。
 ではどうすれば単位が取れるのかご説明致します。まず、実務実績の単位をどうやって取得するかですが、下記の表1をご覧下さい。一番上の横欄はまちづくり活動や設計活動等の4つの分野を表現しています。ご自分の仕事の分野がどこに当たるかご確認下さい。次の「共通」という欄は、仕事の分野に関係無く、例えば学会等に論文を執筆すれば、5単位取得できるというようになっています。次の欄の「活動分野別」欄をご覧下さい。この欄では、実務の内容を、実際に携わったプロジェクトの件数で評価する単位と実際に働いた時間軸での評価単位から構成されています。上の方がプロジェクト数での評価、下の方が時間軸評価です。まず上の方ですが、このCPD制度を実践されている方の地位を三つに区分にしています。aとして主催者、bとして責任者、cとして担当者です。主催者にはプロジェクト数に関係なく無条件で24単位を認定しています。責任者にはプロジェクトの件数に4単位を掛けた単位数を認定し、担当者にはプロジェクトの件数に2単位を掛けた単位数を認定致します。次に時間軸での評価は実働勤務日数を10で割った数に1単位を掛けた単位数を責任者と担当者には認定致します。但し上限は20単位です。主催者には時間軸での認定単位はありません。コンペに参加すれば5単位プラス等はあります。この計算方法で計算して、1年間の実務実績の結果を1年後に、「実務実績記録シート」に記載して、士会事務局に提出していただきます。
 次に研修による実績の単位をどうやって取得するかですが、下記の表2をご覧下さい。単位は三つの分野で取得することが出来ます。「活動型研修」分野と「参加型研修」分野と「自習型研修」分野です。活動型研修分野はさらに三つに分かれています。社会貢献型の研修分野としては、例えば、住宅相談を半日行えば6単位取得できます。情報提供型の研修分野としては、例えば、講習会の講師を2時間行えば6単位取得できます。委員会活動型の研修分野としては、士会の支部総会に出席すれば2単位取得できます。つぎに参加型研修分野は二つに分かれています。認定研修分野として、例えば、従来から行われている大臣認定講習会を受講すれば12単位取得できます。また見学会等の分野として、例えば一日の見学会に参加すれば6単位取得できます。最後に自習型研修分野は三つに分かれています。認定雑誌記事による研修では、例えば、認定された士会会誌の連載記事を読んで簡単な質問に答えると、1回1単位取得できます。その外、認定通信教育による研修分野、その他の自習方法による研修分野があります。
 このようなやり方で、単位を取得していただきます。その具体的な方法ですが、単位はすべてバーコードシールで表示いたします。例えば、来年からは、士会で開催する講習会や、見学会に出席、参加すると、それらの終了時にバーコードシールをお渡し致します。そのシールをCPD手帳に貼っていくことになります。(すでに終了した、今年の大臣指定講習会の分もご希望があればバーコードシールを発行いたします)そして、CPD活動を開始して、1年後にその結果をまとめて登録していただくことになります。その際、CPDデータ登録料2,000円(1年分)が必要となります。つまり、CPD手帳を士会事務局に提出していただくことです。事務局では、CPD手帳からバーコードリーダーを使って自動的に読みこんで、パソコンの各建築士のデーターベースに登録していきます。そして、ご希望の方に1年間の取得単位の証明書を発行することになります。言葉に表現すると大変複雑に感じられると思いますが、フローチャートと表1、表2をよくご覧下さい。まだ走り出したばかりて゛、いろいろと疑問点もあると思いますが、とにかく確実に、この制度を前進させていきたいと考えています。ぜひ、建築士全員がこのCPD制度に登録して、実施を一日も早く開始していただきたいと思います。皆さんの参加をお願いいたします。

資料
福岡県建築士会CPD活動・実務マニュアル(フローチャート)<福岡県士会作成>(PDF)
表1「福岡県建築士会:実務による能力開発・CPD単位換算」<福岡県士会制定>(EXCELL)
表2「福岡県建築士会:研修による能力開発・CPD単位換算」<福岡県士会制定>(EXCELL)
(社)福岡県建築士会・CPD単位認定基準          <福岡県士会制定>(WORD

建築士会継続能力開発(CPD)制度要領           <士会連合会制定>(WORD

「福岡県建築士会は継続能力開発制度を開始致します」    <福岡県士会作成>(WORD

「CPD制度を始める方法・手順」             <福岡県士会作成>(WORD

建築士会継続能力開発(CPD)実績・履修証明書        <士会連合会作成>(WORD

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