福岡県建築士会会長
田村 弘

 新年明けましておめでとうございます。

 昨年は世界体育の祭典であるオリンピックでメダル争奪に世界中が沸き返った。またメジャーリーグではイチローが打点王に輝いた。反面イラクでは武装勢力の抗戦やテロなど、そして北鮮の拉致問題、国内では異常な台風襲来、それに追い打ちを掛けるように上越地震と相次いで痛ましい被害を受けた年であった。

 昔から喜怒哀楽は一つの個人的な人生観として世の常として見られていたが、いまやグローバルな関心事となっている。特に最近は喜,楽に対し怒,哀を感じる事象が多い。その最たるものは拉致事件と我々建築士が関心を持つ上越地震であろう。家屋の倒壊、多数の死傷者、避難生活等何れも自然現象による天災とはいえ被害者は悲惨であり哀れである。人間が生命財産を失うことは最大の不幸である。生きて抜くためには天災だからと諦める訳にはいかない。太古の昔から先人たちもこれに立ち向かい耐えてきた。

 我々建築士は人間の生命,健康,財産を保護すべき社会的責任がある。何時、何処で、どんな規模で予告なしに起こる地震は誰しも恐ろしい。しかも人為的にこれを止めることはできない。我々建築士はこのような不測の事態に備え如何に建物を災害から守るかを念頭におきその為に、今年こそ「新しい建築士像」を目指して、幅広い基礎的素養、高い専門能力、健全な職業倫理を身につけた建築士として、推進中の継続能力開発(CPD)に積極的に参加し更にそれに続く専攻建築士制度の理解と社会への認識を深めることが急務である。